0-3 「Python Numpyによる画像表現(グレー画像)」
PILで取得した画像データをNumpy配列へ代入した際、Numpy配列の内容がどのようになるのか調べました。
比較のためにカラー画像と、カラー画像をグレースケールへ変換したデータを記載します。
#!/usr/bin/python # -*- coding: utf-8 -*- # Numpyによる画像表現(グレースケール) from PIL import Image import numpy as np from matplotlib import pylab as plt # 画像の読み込み (カラー画像) im = np.array(Image.open('input2x3.bmp')) print(im.shape, im.dtype) #画像の表示 plt.imshow(im) plt.show() # 画像の読み込み (グレースケール) im = np.array(Image.open('input2x3.bmp').convert('L')) print(im.shape, im.dtype) # 上記を実行すると次のように表示される # ((2L, 3L, 3L), dtype('uint8')) # ((2L, 3L), dtype('uint8')) # 最初のタプルは行、列、色数を表し、続く文字列は要素のデータ型をあらわす。 # uint8 は、符号なし整数8ビットという意味。 # 2番目のimでは、'L'を指定してグレースケールに変換しており、その場合、 # 色情報がなく、shapeのタプルは2つの値のみとなる。 print(im) #[[ 76 149 29] # [ 0 128 255]] #画像の表示 plt.gray() # 表示カラーマップをグレースケールとする(*) plt.imshow(im) plt.show() # (*) YIQフォーマットのY画像? # Y = 0.298912 x R + 0.586611 x G + 0.114478 x Bで計算される。 # RGB(255,0,0) の場合 Y= 76.22256 + 0 + 0 # RGB(0,255,0) の場合 Y= 0 + 149.585805 + 0 # RGB(0,0,255) の場合 Y= 0 + 0 + 29.19189 # # RGB(128,128,128) の場合 Y= 38.260736 + 75.086208 + 14.653184 = 128.000128 # RGB(255,255,255) の場合 Y= 76.22256 + 149.585805 + 29.19189 = 255.000255 #保存 Image.fromarray(im).save('input2x3_save.bmp')
実行結果
プログラムの実行結果を確認していきます。
# 画像の読み込み (カラー画像)
>im = np.array(Image.open('input2x3.bmp'))
>print(im.shape, im.dtype)
>(2L, 3L, 3L), dtype('uint8')
print文で表示された (2L, 3L, 3L), dtype('uint8') の意味は、読み込ませた画像ファイルが高さ2ピクセル、幅3ピクセルのカラーBMP形式ですので、(2L, 3L, 3L)のタプルは、順に、画像の高さ(行)、画像の幅(列)、色数を表していることがわかります。
また、続く文字列 uint8 (符号なし整数8ビット)は各要素のデータ型をあらわします。
# 画像の読み込み (グレースケール)
>im = np.array(Image.open('input2x3.bmp').convert('L'))
>print(im.shape, im.dtype)
>(2L, 3L), dtype('uint8')
グレースケールでは、(2L, 3L), dtype('uint8') と表示され、色情報がなく、shapeのタプルは2つの値となることが確認できます。
なお、カラー画像からグレースケールへの変換は、PILのImage openの時に、'L'を指定してます。
次に実際にnumpy配列へ代入した画像データをprint(im) 文により確認してみます。
すると、以下の様な結果が得られました。
[[ 76 149 29] <- im[0]
[ 0 128 255]] <- im[1]
これらは、画像の各ピクセル座標に対する輝度情報が表示された結果です。
例えば、 im[0,0] は、ピクセル座標 (0,0) の輝度値 76を示しています。
同様に im[0,1] は、ピクセル座標 (0,1)の輝度値 149を示しています。
カラー画像の読み込み時に、'L'を指定しグレースケールへ変換しているわけですが、カラー画像の場合、ピクセル座標(0,0)のカラー値は、(R,G,B) = (255, 0, 0)となっています。このカラー画素値をグレースケールへ変換すると、76 という値に変換されています。
(補足:要確認)
カラー画像からグレースケールへ変換したときのカラー値は、YIQフォーマットのY画像を表しているのではないかと思われます。
Y画像は、RGBのカラー画像から、人間の目の明るさ感度に特化して作成する画像で、次の計算式により求まります。
Y = 0.298912 x R + 0.586611 x G + 0.114478 x B
(R,G,B) = (255, 0, 0)の場合、 Y= 76.22256 + 0 + 0 と計算され、'L'指定で作成したグレースケールの値 76 とほぼ一致します。
同様に、ピクセル座標(0,1)の カラー値は、RGB(0,255,0)なので、 Y= 0 + 149.585805 + 0 となり、ピクセル座標(0,2)の カラー値は、RGB(0,0,255)の場合、 Y= 0 + 0 + 29.19189 と計算されます。
もう少し調べてみて、何かわかったら記事を更新します。